
手入れの行き届いたスーツを着ると気持ちもシャキっとしますね。ただ、どのくらいの頻度でスーツをクリーニングに出したり、ケアしたりすれば良いのでしょうか?
本記事ではスーツをクリーニングに出す頻度や注意点、自宅でのケア方法について家事・掃除のプロが解説します。
スーツをクリーニングに出す頻度の目安
一般的に、スーツのクリーニング頻度は「ワンシーズンに1~2回」と言われています。クリーニングをすることでスーツはキレイになりますが、頻繁なクリーニングは溶剤の影響で生地が傷みやすくなります。なので、お気に入りのスーツを長く着用するためにも適切なタイミングでクリーニングに出しましょう。
夏場の暑い時期でも、クリーニングの出すのは2週間に1回程度を目安に考えるのがおすすめです。汗をかきやすい仕事をしている場合やたくさん汗をかく体質の方は、数着のスーツを用意して着回す、自宅で洗濯できるウォッシャブルスーツを夏用に準備するなど一工夫してみましょう。
クリーニングのおすすめのタイミング
あまり着ていないスーツでもシーズンの終わり、衣替えなどでしばらく保管する際には、保管前に必ずクリーニングに出しましょう。目に見えない汚れや皮脂をキレイに落とすことで、保管中に生じやすいシミやカビ、害虫を防ぐことができます。クリーニングから戻ってきたスーツはビニールのカバーを外して、風通しが良く直射日光の当たらない場所に保管すると生地が傷みにくいですよ。
上下別でクリーニングに出しても良い?
ジャケットは、オフィスなど室内にいるあいだは掛けておくケースも多いかと思います。そのため、ジャケットよりも長時間着用しているボトムス(ズボンやスカート)のほうが汚れやすい場合があります。
しかし、そんなときでもクリーニングに出す際は、上下一緒にクリーニングすることがおすすめです。ジャケットだけ、もしくはズボン(スカート)だけ、と別々にクリーニングを行うと、いつの間にか生地の色味や風合いが上下で異なってしまう可能性もあります。
「お気に入りのスーツなのにセットで着用できなくなってしまった…」なんて悲しいことにならないよう気を付けましょう。
スーツをクリーニングに出す際の注意点
スーツをクリーニング店に持ち込む際は、スーツの着用シーンである仕事や行事に支障が出ないようにするために、特に以下の3点を確認してから衣類を出すようにしましょう。
1. クリーニングの仕上がり日(納期)の確認
クリーニングの仕上がり日が、連休・祝日などを挟むと変動するケースがあります。クリーニングに仕事用のスーツをまとめて出す際は、特に注意が必要です。
また、シミ抜きや撥水加工などオプションを付けた場合も仕上がり日が延びることがほとんどですので、近いうちに着る予定のあるスーツは日数に余裕を持ってクリーニングに出しましょう。
2. ポケットの内部や装飾品を確認
ポケットの中に何も入っていないことを確認し、装飾ボタンやブローチなどは必ず外します。お店に預ける際に店員さんも確認してくれますが、紛失や破損のトラブルを避けるためにも、自宅で事前にチェックしておくことをおすすめします。
3. シミ、汚れ、ほつれのチェック
「スーツのどこに汚れが付いているのか」「ほつれているところはないか」などをお店の方と一緒に確認しておくことをおすすめします。汚れの種類によってはオプションのシミ抜きが必要なケースもありますし、事前にスーツの気になる点を伝えることで相談に乗ってもらえる場合もあります。
自宅でできる!スーツを長持ちさせるケアの方法
長時間着用したスーツを脱いだ際は、ぜひ下記のポイントを参考にお手入れをしてください。適切な方法でスーツに付いた汚れを落とし、シワや擦れをケアできればお気に入りのスーツを長持ちさせることができます。
スーツ専用のハンガーに掛ける
スーツは体の形に合わせて立体的に縫製されています。薄いハンガーに掛けると襟や肩部分にシワが寄り、型崩れの原因となります。そのため、厚みのあるスーツ専用ハンガーを使用するようにしましょう。
ポケットの中身を出してから掛けることも、型崩れを防ぐポイントです。ズボンは裾を上にして吊るしておくと、重みでシワが改善します。
洋服ブラシをかける
洋服ブラシを使ってブラッシングして、スーツに付いた汚れを取り除きましょう。ポイントは、上から下に向かってブラシをかけることです。ポケット内や襟の裏などもホコリがたまりやすいので忘れずに。
また、ブラッシングすることで繊維の流れが整うので毛玉防止になり、生地本来の風合いやツヤを保ちやすくなります。エチケットブラシや粘着クリーナー(コロコロ)は、ホコリなどの汚れが取れるため、外出先での使用は便利です。ですが、生地を傷める可能性もあるので馬毛などの洋服専用ブラシを使用しましょう。
数着のスーツをローテーションする
日々のお手入れに加えて、複数のスーツを持っておくこともポイントです。
1着のスーツを連日着用するのでなく、できれば3~4着以上のスーツを順番に着回すことでスーツの持ちがよくなります。1回着用したスーツは、洋服ブラシでのお手入れ後に風通しの良い場所で2~3日休ませると、汗をはじめとした水分が飛び、カビやにおい防止になります。
また、ウール本来の復元力でシワや型崩れもある程度なくなります。そのためスーツを休ませる意識を持って、数着を着回すようにしましょう。
いつでもベストな状態で着られるようにスーツのケアをしましょう!
ビジネスシーンや大切な行事の際には、お気に入りのスーツをベストの状態で着用したいですよね。仕事で毎日のようにスーツを着用する方はもちろん、行事やセレモニーなど年に数回だけ着用するという方もぜひ実践して、スーツをキレイに長持ちさせてくださいね。
いざというときに慌てないように、クリーニングのタイミングを意識することに加えて、日頃のお手入れ方法もぜひお試しください。
執筆者紹介!!
- ペンネーム
- 出口知子
- プロフィール
- 整理収納アドバイザー
お掃除スペシャリスト・クリンネスト2級認定講師
株式会社ハート・コード(https://heartscode.com/)にてお片付けや掃除でお困りのお宅にて現場作業を行い、各家庭に合った収納用品や効率良いお掃除方法を提案している。のべ1000件のお宅をととのえた経験を活かし講師としても活動中。