スーツ販売店でよく目にする「ブラックフォーマル」は、どんな場で着用する装いかご存知でしょうか?
一般的に冠婚葬祭など正式な場にふさわしい装いのことですが、お祝いの席や悲しみの席など、着用する場面によって明確な違いもあります。大切な場ですから、失礼がないように着用できるスーツの違いやマナーをしっかりおさえておきましょう。

いまさら聞けない、冠婚葬祭の場で着用できるスーツの違いは?(ブラックフォーマル・礼服・喪服)

礼服とは

礼服とは、冠婚葬祭のときに着るきちんとした装いのことで「フォーマルウェア」とも呼ばれます。
その中でも「ブラックフォーマル」と「カラーフォーマル」の2つに分かれています。

ブラックフォーマルとカラーフォーマル

ブラックフォーマル

その名の通り、黒い礼服のことです。礼服の中でもとくに黒い礼服を総称して「ブラックフォーマル」と呼ぶ場合があります。ブラックフォーマルは、葬儀や法要などの弔事に着用できるシンプルなデザインのものをさしますが、お祝い事である慶事に着まわせるものもあります。以下、ブラックフォーマルを選ぶ際のポイント4点です。

<選ぶポイント>
①肌の露出がすくない
②ゆったりして体のラインが出ない
③黒で統一されている
④華美にならず品格がある

カラーフォーマル

華やかで色や飾りなどがついているものです。結婚式やパーティーで着用します。

喪服

喪服は黒い礼服のこと。ブラックフォーマルの一つの種類です。ただ、単に黒い色の服というわけではなく、葬儀にふさわしい素材やデザインで品格を兼ね備えたものをさします。また、黒でも「浅い黒」と「漆黒」があり、喪服として使えるのは「漆黒」のものだけです。喪服は、通勤やオフィス用の黒のビジネススーツとは全く違うものです。

兼用タイプ

お祝い用、喪服用など、それぞれの場に合わせたブラックフォーマルを用意してもいいのですが、どちらの場でも着まわせる素材・デザインもあります。このような兼用タイプは、小物やヘアアレンジなどの工夫で印象を変えることができます。1着持っていると、いざというときに便利です。

弔事の場での身だしなみ・知っておきたいマナー

葬儀などの弔事の場面では、心から故人のご冥福を祈りたいものです。その気持ちを表すためには、装いだけではなく小物や髪型にも気配りが必要です。

小物のマナー

黒で布製のものを選びましょう。革製の靴の場合は、光沢がないものを選ぶのがポイントです。ヒールは太く5㎝以内のものを選ぶと上品に見えますし、子どもがいても動きやすい高さです。足元は挨拶の際に意外と目立ちます。
お手入れを忘れずに。

バック

フォーマルバックが基本です。黒の布製で装飾がないものを用意しておきましょう。また、最近はフォーマルにも使える少し大きめのソフトバックがあります。荷物が多いときなどは安心ですね。TPOに合わせて選びましょう。

アクセサリー

弔事の場合は結婚指輪のみと考えましょう。パールのイヤリングやピアス、ネックレスは大丈夫ですが、2連のネックレスは「不幸が重なる」といったイメージにつながるためNGです。

数珠

数珠を持って手を合わせる所作は、旅立たれる方への礼儀です。宗派によって数珠は長さや房が違いますが、しっかりとした本物の数珠を持つ姿は、それだけで好印象です。数珠は意外と他人に見られているもの。高価な物は必要ないですが、自分の好きな石や、好きな色の房を選ぶと愛着を感じて長く使えるでしょう。いざというときに慌てないよう、数珠入れも一緒に揃えておきたいものです。

ハンカチ

一般的には、黒、紺、白などのものを用意しておきましょう。控えめなレースや刺繍はOKです。もちろん、清潔でシワがないものを準備しておきましょう。

身だしなみのマナー

メイク

ナチュラルさが大切です。口紅はリップクリーム程度におさえましょう。このような薄い色味のメイクを「片化粧」といいます。

髪型

手を合わせて頭をさげた時、髪が目にかかるようならまとめましょう。バレッタなどは黒や紺で、飾りのない地味なものを選びます。

ネイル

爪はきれいに揃え、ネイルをする場合は透明かベージュなど、落ち着いた目立たない色にしましょう。

30・40代女性におすすめの冠婚葬祭用スーツ

30・40代女性におすすめの冠婚葬祭用スーツをご紹介します。ポイントは、まず、着ていくシーンを思い浮かべながら、着まわしを考えます。そして、体のラインが出すぎず、ヒザが隠れるものを選びましょう。お手入れのしやすさも大切なポイントです。

ヘアアレンジや化粧をした後は、着やすさも大きなポイント。前にファスナーがあるワンピースは授乳中でも助かります。シフォンの重ね着のような女性らしい印象の装いで、お腹周りも気になりません。フォーマルな場面ではヒザやヒジは隠れるようなデザインやサイズを選びましょう。

着まわしがしやすいワンピースとジャケットのアンサンブル。幅広い年代で着ることができるのも魅力ですね。
弔事の場合はリボンを取ったほうが無難なので取り外しができるのは便利です。自分で洗えるといつもきれいに保てますね。

まとめ

30~40代になるとブラックフォーマルを着る機会が増えてきます。場面によって品よくまとめるためにも、基本のマナーを守り、小物もトータルで揃えておくと安心ですよ。

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執筆者紹介!!

ペンネーム
尾形圭子
プロフィール
マナー講師/僧侶
航空会社、外資系化粧品会社で接遇・育成部門に勤務後、マナー講師として独立。現在、研修や講演の他、「ご近所付き合い」などでTV出演も。著書は「大人かわいい女性の話し方&マナー」「お付き合いのマナー新事典(共著)」など30冊以上。

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